寺社領とは、寺社の維持・運営のために設置された所領(領主・地主によって私有され、支配(知行)権が行使されている土地のこと。)のことである。
寺社や公家・天皇・皇族の領地は実質的に幕府管理地であるので幕府の旗本や御家人が代官として派遣され、年貢を徴収しました。 幕府から派遣された代官は徴収した年貢から諸々の必要経費を差し引いて、残った分を領主(寺社・公家・天皇・皇族など)に届けていました。
明治政府の地租改正に伴う土地改革によって寺社領は急速な解体が進められることになりました。
寺社領が完全に解体されたのは第2次世界大戦後のアメリカ進駐軍による農地改革で、これと檀家制度の解体も加わり大寺も含め多くの寺院が困窮したのであります。
お寺や神社に関わる所領ということなので武家社会が制度的に出現して来た鎌倉時代
よりも何世紀も以前から日本社会に根付いていた所領支配権なんだろうけど、それがほんの70年くらい前まで存在してたのです。。そうに考えると寺社領の是非は俺には良く分かりませんが長い長い歴史の中でしっかりと存続して来た具象の完全解体霧散消滅が悲しく思えて来ます。栄枯盛衰を繰り返し弱肉強食が常態化している歴史の中で、長い間埋没することなく戦後の時まで生き抜いて来たことへ、平伏しつつ衷心よりご苦労様でしたと言いたいです。